コンセントWiFiは、その手軽さと利便性から注目を集めていますが、メリットだけでなくデメリットも存在します。ここでは、コンセントWiFiの特徴を詳しく掘り下げ、導入を検討している方が適切に判断できるように解説します。
コンセントWiFiのメリット
設置が簡単で工事不要
コンセントWiFiの最大の魅力は、設置の簡単さです。一般的なWiFiルーターを利用する場合、光回線やADSLの契約が必要であり、開通までに数日から数週間かかることがあります。また、開通工事が必要な場合、業者を手配しなければならず、手続きが面倒です。
一方で、コンセントWiFiは、電源コンセントに挿すだけで即座にインターネットに接続できるため、面倒な手続きや工事の必要がありません。特に、賃貸住宅や寮などでは工事が制限されることもありますが、コンセントWiFiならそういった問題を気にせず利用できます。
持ち運び可能でどこでも使える
もう一つの大きなメリットは、コンパクトで持ち運びが容易な点です。一般的なWiFiルーターは固定設置が基本ですが、コンセントWiFiはコンパクトなデザインのものが多く、バッグに入れて持ち運ぶことが可能です。
例えば、出張が多いビジネスパーソンや旅行好きの方にとっては、外出先でも安定したインターネット環境を確保できるのは大きなメリットです。ホテルのWiFiが不安定な場合でも、自分のコンセントWiFiを持参すれば快適に作業をすることができます。また、カフェやコワーキングスペースでも、コンセントがあればすぐにネットに接続できるので、作業環境を選びません。
安定した通信環境を確保できる
従来のモバイルWiFiと比べても、コンセントWiFiは比較的安定した通信環境を提供できます。モバイルWiFiはバッテリー駆動であるため、バッテリー残量が少なくなると通信が不安定になることがありますが、コンセントWiFiは常に電源供給を受けているため、そのような心配がありません。
また、一部のモデルでは、複数の通信回線を自動的に切り替える「クラウドSIM」技術が採用されており、電波状況に応じて最適な回線を選択してくれます。これにより、通常のWiFiルーターと遜色のない安定した通信が可能になり、テレワークやオンライン授業などでも安心して使用できます。
コンセントWiFiのデメリット
通信速度が遅くなる場合がある
コンセントWiFiは、モバイル回線を利用するため、固定回線と比べると通信速度が安定しない場合があります。特に、動画のストリーミングやオンラインゲームなど、高速な通信を必要とする用途では、遅延や通信の途切れが発生する可能性があります。
また、通信制限が設けられているプランもあり、一定のデータ量を超えると速度制限がかかることがあります。たとえば、月に100GBまでのプランでは、超過すると128kbps程度に制限され、通常のウェブサイト閲覧やSNSの利用すら厳しくなることもあります。そのため、使用目的に応じて適切なプランを選ぶことが重要です。
使用場所によっては電波が弱いことも
もう一つのデメリットとして、使用する環境によっては電波が弱くなることが挙げられます。コンセントWiFiは、基本的にモバイル回線を利用してインターネットに接続するため、周囲の建物や障害物、地形の影響を受けやすいのです。
例えば、地下や高層ビルの一部、電波の届きにくい山間部などでは、通信が不安定になったり、まったく接続できなかったりすることがあります。また、WiFiの電波を増幅する「中継機型」の場合でも、既存のWiFi環境が弱ければ、コンセントWiFiの効果が十分に発揮されないことがあります。
このような問題を防ぐためには、使用予定のエリアでの電波状況を事前に確認し、必要に応じて別の通信手段と併用するのが望ましいでしょう。